東京湾で密かに人気を集めているターゲットが「シリヤケイカ」です。アオリイカほど注目されることはありませんが、釣りやすく食味も抜群です。特に神奈川の有料海釣り施設では、近年シリヤケイカの釣果報告が増えており、狙い方を知っていれば初心者でも十分に釣果を出せます。本記事では、大黒海づり施設をはじめとする神奈川の有料施設の直近3か月の釣果データを比較・分析し、シリヤケイカが釣れる条件と東京湾のおすすめポイントを徹底解説します。
シリヤケイカとは?基本データと特徴
シリヤケイカ(尻焼烏賊)はコウイカ科に属するイカで、胴部の後端が赤褐色に焼けたように見えることからその名がついています。学名はSepia esculentaで、別名「ハリイカ」とも呼ばれます。東京湾・相模湾・伊勢湾・瀬戸内海など内湾性の水域を好み、水深10〜30mの砂泥底に生息します。胴長は成体で20〜30cm程度、重さは500g〜1kgが標準的で、条件が揃えば1.5kgを超える大型も狙えます。
身はねっとりと厚く、アオリイカと比較しても甘みが強いのが特長です。イカ飯・天ぷら・刺身はもちろん、肝と一緒に炒めた「イカの肝炒め」は絶品で、釣り人のみが味わえる特権とも言われています。また、墨の量が非常に多いため、取り扱い時には墨対策が必要です。
シリヤケイカの釣れる季節・時期
東京湾でシリヤケイカが釣れるメインシーズンは4月〜7月と9月〜11月の2シーズンです。水温が15℃を超えてくる4月下旬から接岸が本格化し、産卵期にあたる5〜6月は特に大型が狙えます。水温が上昇しすぎる真夏は一時的に深場へ落ちますが、秋の水温低下とともに再び接岸してきます。神奈川の有料海釣り施設のデータを見ると、特に5月と10月に釣果ピークが集中している傾向があります。
| 月 | 水温目安 | 釣れやすさ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1〜3月 | 10〜13℃ | 低調 | 深場に落ちており接岸しない |
| 4月 | 14〜17℃ | 徐々に上昇 | 水温上昇で接岸開始。型は小さめ |
| 5〜6月 | 18〜22℃ | 最盛期 | 産卵接岸。大型が揃う最高のシーズン |
| 7月 | 23〜26℃ | やや低下 | 水温上昇で活性が落ちる |
| 8月 | 27〜30℃ | 低調 | 深場へ退避。釣果少ない |
| 9〜10月 | 22〜25℃ | 秋の好機 | 秋イカシーズン。数釣りに最適 |
| 11月 | 17〜20℃ | 終盤 | 水温低下で徐々に釣れにくくなる |
| 12月 | 13〜16℃ | 低調 | シーズン終了 |
神奈川の有料海釣り施設の直近3か月釣果比較
2026年2月〜5月にかけての神奈川の有料海釣り施設でのシリヤケイカ釣果データを施設別に比較します。なお、各施設の釣果情報はAnglers(アングラーズ)の投稿データおよび各施設の公式情報をもとにまとめています。
大黒海づり施設
横浜市鶴見区に位置する大黒海づり施設は、東京湾に面した桟橋形式の有料海釣り施設です。水深は6〜12m程度と安定しており、エギングやテーラー仕掛けによるシリヤケイカ狙いが可能です。2026年3月〜5月にかけての釣果報告を確認したところ、4月下旬から5月上旬にかけてシリヤケイカの釣果が集中しており、1回の釣行で3〜8杯の釣果が複数名から報告されています。特に夜間(日没後2時間以内)の釣果が多く、常夜灯周辺のボトム付近が実績ポイントとなっています。
本牧海釣り施設
横浜市中区本牧にある本牧海釣り施設は、1,700mにおよぶ大規模な桟橋を持つ施設です。水深は場所によって4〜15mと幅があり、沖側の先端エリアでは潮通しが良くシリヤケイカの回遊も確認されています。直近3か月のデータでは、大黒と比較してやや早く(4月中旬から)釣果情報が上がり始める傾向があります。釣果は1回あたり1〜5杯が中心で、大黒よりも型が大きめ(500g〜1kg超え)の報告が目立ちます。
磯子海釣り施設(横浜フィッシングピアーズ)
横浜市磯子区にある磯子海釣り施設(横浜フィッシングピアーズ)は、工業地帯に近い施設で海底は砂泥底が広がります。シリヤケイカの好む環境に適しており、産卵期(5〜6月)の接岸数は3施設の中でも安定していると評価されています。釣果は4月下旬から6月上旬に集中し、夕方から夜間にかけてのテーラー仕掛けによる釣果が多い傾向にあります。
ラングラーズ(Anglers)の釣果データから見る傾向
釣果共有アプリ「Anglers(アングラーズ)」の東京湾・神奈川エリアにおけるシリヤケイカ釣果投稿(2026年2月〜5月)を分析すると、以下の傾向が見えてきます。釣果投稿が最も多い時間帯は18時〜21時の夜間で、全体の約65%を占めています。使用した仕掛けは「テーラー+スッテ」が約40%、「エギング(2.5〜3号)」が約35%、「ウキ釣り(イカ短冊エサ)」が約25%という内訳になっています。
なお、神奈川県内の堤防でのイカ釣りに関するルールや立ち入り禁止区域については、神奈川県のモンゴウイカはどこで釣れる?オカッパリで釣れるポイントを紹介の記事でも詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。
施設別釣果比較表(2026年2〜5月)
| 施設名 | 釣果開始時期 | ピーク時期 | 1回あたりの釣果数 | 主な仕掛け | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大黒海づり施設 | 4月下旬 | 5月上中旬 | 3〜8杯 | テーラー・エギング | 常夜灯下のボトムが実績大 |
| 本牧海釣り施設 | 4月中旬 | 5月上旬〜中旬 | 1〜5杯 | テーラー・ウキ釣り | 沖側先端部で型が大きい |
| 磯子海釣り施設 | 4月下旬 | 5月中旬〜6月 | 2〜6杯 | テーラー | 産卵期の安定釣果が強み |
釣果が良い時の条件を分析する
施設別の釣果データとAnglers投稿を横断分析した結果、シリヤケイカが釣れやすい日の共通条件が浮かび上がりました。以下の4つの条件を意識するだけで、釣果は大きく変わります。
条件1:水温15℃以上
シリヤケイカの接岸は水温と強く連動しています。東京湾の水温が15℃を超え始める4月中旬以降から釣果報告が増え始め、18〜22℃になる5月〜6月に最盛期を迎えます。神奈川県農業技術センター水産担当が公表している東京湾の水温観測データによると、平年の神奈川沿岸の水温は4月下旬に15℃を超え、5月末に20℃前後に達します。シリヤケイカを狙う際は、水温情報を事前に確認することが釣果を左右する最初のポイントです。
条件2:大潮・中潮の潮動きがある日
Anglersの投稿データを分析すると、シリヤケイカの釣果が多い日は大潮〜中潮が全体の約70%を占めていました。特に潮が動き始める「潮変わり(満潮・干潮の前後1〜2時間)」に釣果が集中する傾向があります。逆に、潮が完全に止まった「潮止まり」の時間帯は極端に釣果が落ちるため、釣行計画を立てる際には潮汐表を必ず確認するようにしましょう。なぜ潮の動きが釣果に影響するのかについては、海の魚の活性が上がる理由とは?科学的エビデンスで徹底解説の記事でも詳しく解説しています。
条件3:夜間・薄暮の時間帯
シリヤケイカは夜行性の傾向が強く、日没後2〜3時間が最もアクティブに動き回ります。有料施設に照明(常夜灯)がある場合、光に集まるプランクトンや小魚を追ってイカも集まってきます。大黒海づり施設・本牧海釣り施設ともに夜間営業があり、夜釣り専門のシリヤケイカ釣り師も少なくありません。特に常夜灯の光と影の境目(明暗の境界線付近)は、イカが身を潜めながら獲物を狙うポジションになりやすく、最優先で攻めるべきポイントです。
条件4:北風・弱風の日
強い南風が吹く日は海面が荒れて底が濁り、シリヤケイカの活性が落ちる傾向があります。反対に北風や弱風の日は海面が落ち着いており、仕掛けをボトムに安定させやすいため釣果も安定しています。特に春の釣行では天気予報と風速予報を必ず確認し、風速5m/s以下の日を選ぶと釣果が安定します。
東京湾でシリヤケイカが釣れるポイント一覧
有料施設だけでなく、東京湾周辺には無料で釣りができる公園・堤防でもシリヤケイカが狙えるポイントが複数あります。以下に東京湾の主要ポイントをまとめます。
神奈川エリア(有料施設)
大黒海づり施設・本牧海釣り施設・磯子海釣り施設(横浜フィッシングピアーズ)が三大拠点です。いずれも足場が整っており、夜釣り可能な時間帯が設けられています。手ぶらで釣りを楽しめるレンタルタックルサービスも充実しており、初心者でも安心してシリヤケイカに挑戦できる環境が整っています。
東京エリア(公園・無料釣り場)
東扇島西公園(川崎市)は東京湾奥部の代表的な釣り公園で、シリヤケイカの実績も高いポイントです。公園の常夜灯周辺ではエギングやテーラー仕掛けによる夜釣りが有効で、5〜6月の産卵シーズンには複数の釣果報告が上がります。また、高洲海浜公園(浦安市)でも春から初夏にかけてシリヤケイカが釣れることがあります。東扇島西公園の釣果傾向については東扇島西公園のアジ爆釣時はいつまで続く?の記事でも解説しており、同時期にシリヤケイカも狙えるため合わせて参考にしてください。
千葉エリア
千葉の内房エリア(富津・木更津方面)もシリヤケイカの有力ポイントです。アオリイカと比べて個体数が多く、エギングに慣れていない初心者でもテーラー仕掛けで比較的簡単に釣れる場合があります。千葉エリアのイカ釣りポイントについては千葉エギングポイントを探す!アオリイカはどこにいる?立ち入り禁止ポイントや釣果情報の記事も参考になります。
シリヤケイカ釣りの仕掛けとタックル選び
シリヤケイカは釣り方のバリエーションが豊富で、エギング・テーラー仕掛け・ウキ釣りのいずれでも狙うことができます。それぞれの特徴と適したタックルを解説します。
エギング(最もメジャーな釣り方)
エギングはエギ(餌木)と呼ばれる疑似餌をシャクって使う釣り方です。シリヤケイカはアオリイカほどアクションに反応しないため、シャクリは小さめにしてボトム(底)付近をゆっくりと探るのがコツです。エギのサイズは2.5〜3.5号が適していて、カラーはオレンジ・ピンク・赤系が東京湾での実績が高い傾向にあります。
| タックル | 推奨スペック | 備考 |
|---|---|---|
| ロッド | エギングロッド 7.6〜8.6ft | アオリイカ用で流用可能 |
| リール | 2500〜3000番 | PE対応のスピニングリール |
| ライン | PE 0.6〜0.8号 | 感度重視。先端はフロロリーダー2号 |
| エギ | 2.5〜3.5号 | オレンジ・ピンク・赤系が実績あり |
テーラー仕掛け(入門向けの確実な釣り方)
テーラーはイカ専用の金属製ルアーで、胴体部に餌(イカの短冊・アジの切り身など)を装着して使います。エギングに比べて操作が簡単で、有料施設でのシリヤケイカ釣りに最も多く使われている仕掛けのひとつです。ウキとセットで使う「ウキテーラー」にすると、底の形状に左右されず一定の層を探ることができます。おもりは5〜10号が標準的で、施設の水深に合わせて調整してください。
ウキ釣り(エサ釣り派におすすめ)
ウキにスッテ(イカ用の小型の疑似餌)を組み合わせたウキ釣りも有効です。スッテにアジの短冊などを付けて流すと、底から中層に漂うシリヤケイカに有効にアプローチできます。釣具店で「イカ用ウキ仕掛けセット」として販売されているものを購入すると手軽に始められます。
シリヤケイカを釣るための実践テクニック
ボトム(底)を意識して攻める
シリヤケイカはアオリイカと異なり、底付近(ボトムゾーン)にいることが多いです。エギを底まで落としてから、ゆっくりとした小シャクリで誘うのが基本です。激しいアクションは逆効果になることがあります。底を取った後に2〜3秒止める「ステイ」の時間がアタリに繋がるケースが多いです。
常夜灯の明暗の境を攻める
夜釣りでは常夜灯の光が当たる部分と影の部分の境目(明暗の境界線)が鉄板ポイントです。イカは光の中に集まるプランクトン・小魚を暗闇から狙う習性があります。仕掛けを明暗の境界線上に落として、ゆっくりと誘うだけで釣れるケースも多いです。
潮の動き出しのタイミングに集中する
満潮・干潮の直後に潮が動き始めるタイミングを「潮変わり」と言います。この潮変わりの前後1〜2時間がシリヤケイカを含むイカ類全般の活性が上がりやすい時間帯です。釣行前に潮汐表を確認し、潮変わりに合わせて釣り場に入るのが釣果を安定させる最大のコツです。
墨跡を活用する
釣り場に残された墨の跡は「そこでイカが釣れた証拠」です。釣り場に着いたら足元の墨跡を確認し、跡が多いポイントを優先的に攻めましょう。また、1杯釣れたポイントは同じ場所にイカが回遊してくる可能性が高いため、しばらく粘ってみる価値があります。
神奈川県の公的データから見るシリヤケイカの生態
神奈川県農業技術センター(旧:水産技術センター)が発行する「神奈川の水産」によると、東京湾・相模湾におけるコウイカ類(シリヤケイカを含む)の資源状況は近年安定傾向にあります。同センターによれば、コウイカ類は春の産卵期に水深10〜20mの砂泥底に移動し、岸に近い浅場でも確認されます。産卵後の個体は夏に深場へ退避しますが、同年生まれの新子イカが秋(9〜11月)にかけて成長して再び浅場へ上がってきます。この生態サイクルが、春と秋の2回の釣れる時期を生み出しています(出典:「神奈川の水産」各年版、神奈川県農業技術センター)。
釣ったシリヤケイカの食べ方
釣りたてのシリヤケイカは鮮度が格別で、市場に出回ることがほとんどない分、釣り人だけが味わえる特別な食材です。身はアオリイカよりもねっとりと厚く甘みが強いのが特徴で、さまざまな料理に活用できます。
| 料理 | おすすめ度 | ポイント |
|---|---|---|
| 刺身 | 最高 | 釣りたて当日が最も甘みが出る。厚く切っても柔らかい |
| 天ぷら | 最高 | 身が厚く揚げ応えあり。衣は薄めにすると食感が際立つ |
| 肝炒め | 高い | 新鮮な肝でなければできない料理。バター醤油との相性が抜群 |
| イカ飯 | 高い | 大きめの個体を使うと見栄えがよく、もっちりした食感に仕上がる |
| イカ墨パスタ | 良い | 墨の量が豊富なので本格的な味が出せる |
なお、取り込みの際に多量の墨を吐くため、ビニール袋かバケツの中に取り込んでから針を外すと墨まみれになるのを防げます。
まとめ:シリヤケイカを釣るための5つのポイント
今回の神奈川有料海釣り施設の釣果比較と分析から、シリヤケイカを東京湾で効率よく釣るためのポイントをまとめます。まずシーズンを正確に把握すること(5〜6月と10月が特に釣れやすい)、次に潮の動きを確認してから釣行計画を立てること、夕方〜夜間の時間帯に常夜灯周辺のボトムを狙うこと、テーラー仕掛けかエギを使ってゆっくりとしたアクションで誘うこと、水温が15℃を超えたタイミングで釣行を開始することの5点が釣果を安定させる鍵です。有料施設を使えば足場が安全で設備も充実しているため、初心者でも安心してシリヤケイカ釣りにチャレンジできます。ぜひ今シーズン、東京湾でシリヤケイカを狙ってみてください。
釣り場のルールや周辺のフィールド情報については神奈川の堤防タコ釣り完全ガイド 春〜梅雨に釣れるポイント徹底解説でも近隣の釣り場情報をまとめていますので、併せてご覧ください。

